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コラム

【連載コラム|組織におけるAIコーチング】人と組織の成長を加速(第3回)

 

1. 「人 with AI」での人材育成&マネジメント支援「reflect」

連載第3回では、AIコーチを実装した人材育成とマネジメント支援のサービス「reflect」とその導入事例を紹介する。経験学習理論に基づきながら、AIフィードバックやAI評価、AIロールプレイ研修などで、人と組織の成長を加速させるものだ。AIによる支援によって、管理職や人事はより重要性の高い仕事に注力できる。

 

2. 人材育成&マネジメント支援「reflect」

reflect」は、リフレクト(2021年3月設立)が提供する人材育成とマネジメント支援のサービスである。2022年11月のChatGPT公開直後の2023年初頭から、ChatGPTを活用したAIコーチを実装している(図1)。

図1 AIコーチ「リフレクこ」(=リフレクト提供)

人事・マネジメント施策をAIで加速させ、育成と組織の成果を最大化する「ピープル・グロース・プラットフォーム」として提供され、オンボーディング、ラーニング・スキル管理、業務支援を担う。DIGITAL HR COMPETITION2023のテクノロジーソリューション部門グランプリ受賞、日本の人事部HRアワード2025のプロフェッショナル部門(人材採用・雇用部門)入賞と、注目を浴びているサービスである。

代表取締役の三好淳一氏は「人 with AI」を掲げており、人間とAIの相乗効果で人材育成とマネジメントの効果・効率の向上を目指している。「reflect」は新入社員研修をはじめとしたオンボーディングの場面で多くの企業に導入されている。「reflect」では、経験学習サイクル(図2)に基づいた「できごと」、「学び」、「アクション」という項目に沿って、振り返りである日報を入力する。

図2 経験学習サイクル(Kolb(1984)より筆者作成)

同時に、「やる気」、「達成度」、「体調」を1から6の6段階評価でパルスサーベイを入力する。日報を投稿するとSNSのタイムラインのような形でチームメンバーで共有される。お互いに閲覧・コメントしたり、管理職や人事からのコメントを受けたりすることを通じて、学びを深めたり支援を受けたりできる。「reflect」の利用状況やパルスサーベイによりチームメンバーのコンディションを把握でき、リモートワークのような顔が見えない状況でのマネジメントも支援してくれる。

日報を投稿するとAIコーチが即座にフィードバックのコメントをしてくれる(図3)。同時に、投稿された日報に基づき、経済産業省が提唱する社会人基礎力の12項目のそれぞれについて5段階で評価してくれる(図4)。

図3 AIコーチによるフィードバック(=リフレクト提供)

図4 社会人基礎力のAI評価(=リフレクト提供)

点数をつけるだけでなく、高い値の項目、低い値の項目、自分で設定した伸ばしたい項目について、点数の理由とアドバイスを教えてくれる。人がすべての日報を見てコメントするという負荷を軽減してくれ、管理職や人事はAIではできない支援に注力できる。社内規定などを読み込ませたり、プログラミングをすることなしにプロンプトのみで「問いかけをしてくれるコーチAI」や、「厳しいフィードバックを行うグローバルに活躍するコンサルタントAI」などのAI作成を行ったりなど(図5)、自組織の目的に合わせたカスタマイズも可能である。
この他にも、文字や音声によるAIロールプレイ研修や、自身で設定した目標に対するAI目標リマインダーなどの機能も実装している。

図5 AIカスタマイズ機能(=リフレクト提供)

リフレクトは「自らを省みて自律的に成長できる人材を育てる」という「自省自立」をミッションに掲げ、「人と組織の成長を支える」ことをビジョンとしている。AIによる様々な支援を通じて、振り返りの習慣化や効果向上を実現し、ますます求められるようになっている個人やチーム・組織の成長を加速・可視化している。

 

3. 企業での導入事例~千葉興業銀行の続き

連載第2回で紹介した千葉興業銀行では、2024年の新入行員研修から「reflect」を導入している。「CoachAmit」が上司のコーチング・部下育成の質の向上を目指して導入されたのに対して、「reflect」は新入行員育成における「社会人基礎力」と「学習の型」の習得や協働学習の支援を目指して導入された。千葉興業銀行では、新入行員がチームを組み、互いに学び合いながら成長を目指す協働学習を実施している。

具体的には、定期的にチームミーティングを行い、各自が設定した業務習得目標や行動目標、日々の気づきを、チームメンバーで共有し振り返ることを通じて、課題解決や相互支援を行っていく。将来のコンサルティング業務につながるものであり、顧客のニーズや課題に対して周囲と協働して対応できる人材の育成を図るものである。

取り組みを始めると、目標設定や振り返りについて、内容の抽象度や適切性に課題があり、支援を必要とする層が一定割合存在することもわかった。しかし、人員や時間に制約があり、人による支援には限界があった。

そこで、「reflect」を導入し、AIコーチが協働学習に介入して、新入行員に新たな気づきを与え、学びを深めることによる解決を図った。
具体的には、AIコーチと対話しながらその日の目標を設定し、終業時に振り返りを記入してAIコーチからフィードバックを受けることにした。結果、新入行員へのフィードバック回数が約6.5倍に増加。人の感情や主観に左右されず、客観的なフィードバックを受けられたことにより、新入行員の行動が具体化・改善されたという声が現場からも上がっている。(第4回に続く)

 

 

本連載は、高崎経済大学の若林隆久准教授(2016年度から「組織変革とリーダーシップコース」のグループ指導講師を担当)に執筆いただき、生産性新聞に掲載された記事です。

生産性新聞2025年11月5日号:連載「組織におけるAIコーチング」掲載分

若林 隆久

高崎経済大学 地域政策学部 准教授

東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了・博士課程単位取得退学。高崎経済大学講師などを経て2017年から現職。専門は、経営学、組織論、教育工学。第5回リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(経済学分野)参加。金融庁公認会計士試験試験委員(2024年度から)。著書に『地域を変革するリーダーシップの展開』(日本経済評論社)など。NPO法人日本アクションラーニング協会認定シニアALコーチ(チームコーチングの一手法)としても活動。

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