（左）松崎氏／田代氏
1993 年度の「人事労務コース」を修了された経営アカデミーマスター（ＯＢ）で、現在、人事部長としての重責を担われている田代康彦氏と松崎毅氏。お二人に、参加当時の思い出やこれからの経営アカデミーに期待されることなど、幅広くお話を伺いました。
週に一度、仕事から離れ、自社と自身について考える貴重な場を得る
田代氏：経営アカデミーは初めて参加した社外の長期研修でした。毎年人事部から参加していたので先輩から様子を聞いていましたが、参加前はどういう人達と一緒に勉強するのか不安と期待が入り混じっていました。実際、業種のバックグランドも様々で、毎回大きなショックや刺激を受けました。グループ研究でメンバーと語り合ったことは今でもリアルに思い出せます。週に1 回、確実に1 日、仕事から離れて勉強し、自身や自社について深く考える機会を与えてもらえたことに大変感謝しています。アカデミーの講義は皆勤でしたよ。
松崎氏：入社以来営業畑だった私が人事に移り、企画を担当したときにアカデミーに参加しました。人事全般についてしっかり勉強して業務に活かすように、という会社からの思いをひしひしと感じました。グループ研究では「新時代の賃金システム 〜年功賃金は崩せるか〜」というテーマに取組みましたが、人事の中でも一番難しい賃金について研究できたことは大きな収穫でした。
意見をぶつけあい、個性をさらけ出す
田代氏：松崎さんのグループ研究は、優秀賞を取ったんですよね。「労政時報」誌にも掲載されて。今読んでも論文として秀逸だと思います。
松崎氏：メンバーの知見の高さに驚くことが多かったです。文系出身の我々メンバーは面白いものを追い求めがちなのですが、理系出身のメンバーがしっかりと論理立てて論文を組み立ててくれました。優秀なメンバーの中で、自分の意見を主張できた経験は大きな糧となりました。今では人前で話すことも多いですが、おかげで物怖じすることはありません。
田代氏： 私のグループでは、現場経験の長い人が多く、個性豊かな人ばかりでした。自由に個性を出し、意見をぶつけあう中、結果的に私はまとめ役の一人となり大変でしたが、このとき共有した心根というのは、その後
の熱い交流につながっています。
松崎氏：指導講師も一人ひとり個性を自由に発揮させてくれました。我々もまだ若かったこともあり、皆自分をさらけ出すことができました。今ではさすがにそこまでできません（笑）。当時のメンバーとは今でも年に1 回ぐらいは集まっています。海外に赴任する人もいたり、それぞれ要職についたりで忙しいのですが、誰かが帰任したタイミングなどで集合をかけます。
田代氏（左）が今でも保管している当時の講義資料を綴じたバインダーをみながら
これからの経営アカデミーに期待すること
田代氏：私自身人事畑が長いですが、当社ではどう異分野を社員に経験させていくかが課題となっています。事業部長の昇格要件として必ず異分野での業務経験を持たせるようにはしていますが、それを補完するためにも、アカデミーのような本格的に他流試合ができる研修や場を用意しています。
松崎氏：当社では、いかに社員に専門性を持たせていくかが課題の一つです。CDP に沿ってキャリア構築を進めていますが、若手のころから職務のプロになるように伝えています。幹部候補教育にも注力しており、経営アカデミーには経営幹部向けの特色あるプログラムをさらに増やして欲しいですね。
田代氏：経営アカデミーに参加される方には、研修後も自己研鑚を続け、ネットワークを広げてもらいたいです。
松崎氏：研修から会社に戻った後、学んだことを使って周りを巻き込んで変えていけると研修が活きてくると思います。その仕組みづくりは難しいですが、参加メンバー、派遣企業、経営アカデミーが一体となって作り上げていくことができれば理想だと思います。
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田代 康彦（たしろ やすひこ）氏 1984 年入社以来、人事畑を歩む。熊本の半導体工場やグループ関係会社の人事経験等を経て、2000 年以降は構造改革を推進。2014 年より人事部長。今後のNECグループ全体の発展に向けて人材育成に取り組む。 |
松崎 毅（まつざき つよし）氏 1981年入社。関西での営業を経て、人事部に異動し採用を手がける。経営アカデミーに参加した1993年から人事企画の担当として制度づくりに携わる。2008 年より人事部長。2013 年に執行役員就任。 |
※所属・役職は2014年10月3日時点